
事例紹介
自己破産ケース紹介
厚木市での法人自己破産事例
本店:神奈川県厚木市内
業種:板金工
厚木市に本社がある板金工事を経営していた法人の自己破産です。
債権者は10社。約5000万円の債務が払えないとの相談で、会社破産の申立依頼がありました。
この記事は、
- 賃借物件の明渡し後に自己破産予定の法人
- 厚木市で自己破産を検討している法人
という人に役立つ内容です。
所轄官庁の確認
法人破産では、免許、許可等の届出が必要になります。
今回の会社では、一般建設業の神奈川県知事許可を取得していました。
許可の関係については、所轄官庁の記載をしたうえで、法人破産の申立を進める必要があります。
今回の一般建設業の諸葛館長は、
所在:神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2
名称:県土整備局事業管理部建設業課横浜駐在事務所建設業審査担当
でした。
新型コロナウイルス倒産
法人破産では、支払ができなくなった破産原因を申立書に記載します。
支払不能になった原因は、新型コロナウイルスによる売上減少。
もともと、個人事業として板金業を始め、法人化した会社でした。
当時は、事業は順調で、個人でも借り入れはありませんでした。
事業拡大のため、法人で銀行から借り入れをするようになり、代表者が個人保証。
年間の売り上げが最高で3億円に達するなど順調でした。
新型コロナウィルスの感染が広まる前までは、オリンピックの工事などもあり、会社の資金繰りは、回っていました。従業員も10人くらいいました。
しかし、令和2年3月頃からコロナウィルスが広がり、仕事が全てなくなってしまい、従業員も次々に辞めていきました。
また、代表者も糖尿病により体調が悪化。
そのため、資金繰りの目途がたたなくなり、法人破産の相談に来たという経緯でした。
新型コロナウイルスに関しては、各種の補助、救済融資もありますが、経営体制が崩れてしまうと、立て直すのが難しいことも多いです。
預貯金通帳を紛失
法人破産でも個人の自己破産と同じく、法人名義の預貯金通帳の提出は必要です。
取引明細でも大丈夫です。
これは、残高が財産として申告すべきことと、取引内容をチェックすることで、財産・債務、経緯等の資料になることから必要とされます。
しかし、法人破産の場合、事務所等の現場が混乱し、預貯金通帳を紛失していることもあります。
本来は、このような通帳、取引明細などを金融機関に発行してもらい法人破産の申立を進めることになります。
ただ、法人破産では早期に申立をした方が良い事案も多いです。
そこで、そこまで取引が多くない金融機関の場合には、通帳を紛失しているため、取得が困難と報告し、破産管財人に取引明細の取得をお願いするという対応もあります。
法人破産と明渡
店舗、事務所、倉庫などを借りている法人破産の場合、申立前に明渡を行う方法と、明渡作業自体は破産管財人に引き継ぎ対応してもらう方法があります。
破産管財人による明渡対応をしてもらう場合には、明渡費用の概算を見積もり、これを上回る管財予納金を準備する必要があります。
今回は、賃貸人の意向もあり、明渡を先行して進め、明け渡し後に法人破産の申立をするという流れで進めました。
この場合、明渡時期を確定する書面等を作ります。
賃借物件の明渡確認書
明渡確認書については以下のような内容で作成します。
甲:賃貸人
乙:賃借人
1 甲と乙は、甲が乙に賃貸している下記物件目録記載の物件について、下記日時に明渡したこと、及び乙は同日の翌日以降の賃料を負担しないことを確認する。
記
明渡日:令和4年○月○日
以上
2 本件物件の原状回復は、甲が行うものとし、その費用は敷金(保証金)から充当する。充当後の不足額及び未払い賃料等は乙が負担する。乙が破産手続を申立てたときは、甲は債権の届出を行うことができる。
3 乙は、甲に対し、本件不動産に残置した動産等について、その所有権を放棄し、甲が処分しても一切異議を申し述べない。
4 甲及び乙は、明渡日を以て、本件物件に係る甲乙間の賃貸借契約を解除する。
以上
法人破産の期間
法人破産手続きでは、管財手続きとなり、定期的に裁判所で債権者集会が開かれます。
債権者集会には、代表者も出席するのが原則です。
今回のケースでは、債権者集会は2回開かれています。
管財人による若干の出資金等回収があった程度ですが、時間がかかったため2回の集会が開催されています。
財産がない、管財人による作業がないような事件では、1回の債権者集会で終了することが多いです。
全体的な法人破産の期間ですが、申立をしてから廃止による終了まで約8ヶ月という期間でした。
法人破産の取締役会議事録や取締役同意書
法人の自己破産申立では、取締役の同意が必要になります。
取締役会が設置されている会社では、本来は、取締役会を開き、そこで自己破産の申立をすることを決めます。
しかし、自己破産になりそうな法人の場合、現場が混乱していることもあり、取締役会が機能していないこともあります。また、そもそも、普段から取締役会の議事録などをしっかり作っていない会社も多いです。
そのような場合でも、弁護士に依頼時に、各取締役での協議が可能であれば、弁護士側で取締役会議事録の作り方を指導し作成することはできます。
また、取締役会が開催できない場合には、各取締役の同意書を取得し申立をすることになります。
本件では同意書により法人破産の申立を進めています。
なお、取締役の同意がもらえない事情がある場合には、準自己破産の申立で対応することになります。
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