
FAQよくある質問
FAQ(よくある質問)
Q.不動産登記、相続法の改正点とは?【2021.4成立】
社会問題化しつつある所有者不明土地問題解決のための法改正がされました。
「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱」が出され、2021年4月に改正法が成立。
主に、所有者不明の土地関係の改正です。
施行日は、原則として公布から2年以内、相続登記の義務化等は3年や5年以内とされています。
改正点を大きく分けると、
- 相続時の登記関係(義務が発生)
- その他、登記を促すための施策(財産管理を含む)
- ついでに不動産周りを改正
という感じです。
影響が大きい相続関係からチェックしていきましょう。
相続時の登記関係(義務が発生)の改正
もっとも話題の相続登記が義務づけられる改正から、関連して、相続の各種制度が変わっています。
相続登記の義務付け
相続登記は義務付けられていなかったため、長期間、登記名義人が変更されずに放置されていた不動産が多数あります。
これにより不動産の処理が、相続人の調査から始めなければならず、状況によって現在の共有者が特定できない不動産もありました。これを回避するため、相続登記をやりやすくしようという改正です。
平成28年度におこなわれた調査では、不動産登記上の情報から直ちに土地所有者等が判明しなかった割合は約20%。
そのうち、相続による移転登記がされていなかったものが約66%だったそうです。登記に反映されないのは、大部分が相続が原因ではないかということで、この解決のため義務付け方向への改正となりました。
不動産の所有権登記名義人が死亡した場合、所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転登記の申請をしなければならないとされました。
受遺者が相続人のときも同じです。
法定相続分による相続登記をした場合には、申請していない相続人もこの義務はいったんは果たしたと評価されます。
遺産分割前に、法定相続分による登記をした場合も同じです。新しく遺産分割協議が成立したのであれば、遺産を取得した相続人は、それを登記上に反映させる義務を負います。こちらの義務を二段階目の義務と呼んだりします。
このような登記義務を正当な理由なく怠ると10万円以下の過料に処されるものとされました。立法時の話では、登記官による催告をし、それでも対応がない場合を想定しているようです。
二次相続や代襲相続の問題も
この規定については、二次相続や代襲相続時にどうカウントするのかという問題があります。
相続人が3年経過前に亡くなった場合、二次相続が発生します。二次相続の相続人は、そこから3年で良いのか、それとも最初の相続人が経過した日数を引き継ぐのかという問題です。
相続放棄の熟慮期間でも似たような問題があります。
この問題については、独自の期間でカウントすることになるのではないかと言われています。
相続人申告登記による付記登記
相続人が、相続発生を伝えることで、付記登記がされることとなりました。
相続人申告登記と仮称で呼ばれている制度です。
登記名義人の相続人が申出をすることで登記官が職権で行う登記です。申出をした法定相続人の氏名及び住所を登記するだけの登記です。これは、相続が発生したことが分かるだけで、相続割合など権利移転を示すものではありません。
この申出には、少なくとも名義人との相続関係を示す戸籍謄本類が必要になるでしょう。
法定相続分による相続登記は、相続人の1人でも申請できるのですが、それにも戸籍関係の資料を揃える必要があり、大変だという意見もあります。そこで、とりあえずスピーディーに相続があったことを示す登記として、このような制度ができました。
この登記は、付記登記に過ぎないので、権利変動を示すものではありません。名義人はあくまで被相続人のままという状態です。
この申出をした相続人だけは、相続登記の義務をとりあえず履行したものとみなされます。
相続登記後の遺産分割で更正登記
また、法定相続分で相続登記がされた後、遺産分割協議等で登記をする場合、更正の登記が使え、かつ登記権利者が単独で申請することができるようになりました。相続登記がされた後の遺産分割で登記を移す場合の煩わしさや、登録免許税負担が軽くなることになります。
相続人が受遺者とされる不動産の遺贈で、対象が所有権である場合、遺贈による所有権の移転の登記も、不動産登記法60条の例外として受遺者である相続人が単独申請できるようになりました。
相続登記を促す効果を狙ったものでしょう。
10年経過後の遺産分割では主張制限
相続開始時から10年経過後の遺産分割では、民法903条(特別受益)、904条の2(寄与分)の規定が適用されないように変更。
特別受益や寄与分は、法定相続分から、相手の取り分は少ないはず、自分の取り分が多いはずという修正の主張。
10年経過した場合には、このような修正要素は考慮されず、法定相続分又は指定相続分で遺産分割されることになります。
遺産分割自体に、期間制限はされていませんが、主張が制限されることになります。
この例外として、相続開始時から10年経過前に家庭裁判所に遺産分割の請求をした(調停でも審判の申立てでも)、相続開始時から10年の期間満了前6か月以内に、相続人に遺産の分割をすることができないやむを得ない事由があり、
その事由が消滅した時から6か月を経過する前に家庭裁判所に遺産分割の請求をしたときは例外とされます。
10年経過であっても、その前に、具体的な手続きに着手したり、直前に何らかの事情で申し立てができなかった場合には、考慮されるという内容。
やむを得ない事由としては、被相続人の生死が不明な状態だったり、相続開始から10年を経過した後に相続放棄がされて、自分が相続人になったケースなど、客観的にみて申立できない事情を指すと言われています。相続人の個々の主観的事情は考慮されない様子。
なお、相続人全員の合意があれば、10年経過後でもこのような合意に基づいて遺産分割をできるものとされています。
この規定は、改正法施行前に開始した相続にも適用される見込みとなっていますので、注意を。
また、相続開始から10年経過後の遺産分割調停、審判では申立の取り下げに相手の同意が必要となりました。
遺産分割禁止の期間の限界を10年に
遺産分割禁止の合意や審判は、引き続きできます。
共同相続人は、5年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、分割をしない旨の契約をすることができるとされていますが、その期間の終期は、相続開始時から10年を超えてはならないとされています。
分割期間の更新も同じ。
いつまでも分割禁止の期間を継続させるのは良くないという趣旨ですね。
登記を促すための施策(財産管理を含む)
相続以外のシーンでも登記を促すための改正が多くされています。
所有権者が誰なのかわかるようにするための改正から、財産管理制度が新しく作られるなどしています。
登記名義人が氏名や住所を変えたら更新
相続登記の義務づけと並んで影響が大きいと思われる改正。
氏名、住所変更時の登記更新義務です。
不動産登記法では、登記名義人が氏名・住所変更があっても、変更の登記は義務付けられていませんでした。
そのため、変更があったのに、放置されたままの場合、所有者を追いにくくなります。
これも所有者不明土地が増えている要因とされます。
そこで、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所に変更があったときは、その変更日から2年以内に、変更の登記申請をしなければならないとされました。
正当な理由なく申請を怠ると、5万円以下の過料に。
引越し・婚姻、離婚などの場合で、これらの変更があることも多いので、注意が必要です。
ネットワークシステムによる公示
登記官は、住民基本台帳ネットワークシステム又は商業・法人登記システムから登記名義人の氏名、名称、住所の変更の情報を取得し、職権で、それらの変更登記をすることができるともされました。ただし、登記名義人が自然人であるときは、その申出があるときに限るとされています。
実際に、どのような運用になるのかわかりにくいですが、申出で足りるなら、ラクそうではあります。この制度が、2年経過しても変更しない登記に対応するための制度なのか明確ではないです。
これに関し、自然人の場合、登記名義人が、登記官に氏名、住所及び生年月日等の情報(検索用情報)を提供し、登記官は、氏名、住所及び検索用情報を検索キーとして、住民基本台帳ネットワークシステムに定期的に照会、登記名義人の死亡の事実、氏名、名称、住所の変更の事実を把握できるような仕組みが作られます。
このネットワークを活用し、所有不動産記録証明制度もできました。
被相続人の死亡により相続が開始したものの、被相続人が所有していた不動産のすべてを相続人が把握していないことがあります。このようなデータを戸籍関係と登記情報をひもづけることで確認ができるようにする制度です。
被相続人が所有権の登記名義人である不動産の一覧を知ることができる仕組みです。
所有者不明の不動産管理人制度
裁判所は、所有者不明の不動産について、利害関係人の請求により、所有者不明土地(建物)管理人を選任することができます。そして、管理人に不動産の管理を命ずることができます。
この申立ては、対象不動産の所在地を管轄する地方裁判所にします。
管理人、対象不動産の管理及び処分権限を持ちます。保存行為、対象不動産の性質を変えない範囲内の利用又は改良行為はできますが、これを超える行為には裁判所の許可が必要です。
今までは、所有者や共有者の調査をして、その相続財産管理人や不在者財産管理人を選任していましたが、不動産の対応を優先するため、不動産自体から管理人を選ぶという制度となります。
選任された場合には、不動産登記にも反映され、情報は公示されます。
所有者不明の建物でも管理人制度はあります。未登記建物は対象になりますが、マンション等の区分所有法上の建物は適用対象外とされています。
所有者不明不動産管理人選任の要件
「所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない場合」とは、不在者や公示送達での調査と同じくらいの調査が必要とされます。
「必要があると認めるとき」に選任されます。
つまり、所有者がわからなくても管理人がいるなどの場合には、この要件が否定されます。すでに不在者財産管理人が選任されているような場合には、この要件が否定されることでしょう。
「利害関係人の請求」が必要です。利害関係人には、隣地所有者や共有者は該当することがほとんどでしょう。
管理人に対する報酬は、所有者負担とされていますが、申立人が相当額を予納することになると思われます。
このような不動産について共有物分割請求訴訟などを起こす場合には、共有持分の管理人も当事者になります。
管理不全の不動産管理人
裁判所は、所有者による土地又は建物の管理が不適当であることにより他人の権利や法律上保護される利益が侵害されたり、侵害されるおそれがある場合で、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その不動産に対する管理人を選任することができるとされています。
こちらは所有者が不明というわけではなく、わかっているけど、管理が不適当な場合の対応方法です。
隣地の所有者などは、自身の所有権を根拠に妨害排除請求権なども持ちます。しかし、それだけでは不十分で、管理人を選任させ、しっかり管理させた方が良いという場合等に使われる制度でしょう。
必要性や利害関係人の請求という要件も、所有者不明不動産の場合と同じです。
管理人は、所有者不明不動産の管理人と同じような権限を持ちます。
ただし、対象土地又は建物の処分については、所有者の同意が必要とされています。
不動産が放置され、危ない状態になっているときなどに使われる制度といえます。
所有者側の利益も考え、非訟事件手続法の改正により、裁判所は、所有者の陳述を聞く手続を経ることとなります。
相続財産管理制度をまとめた
相続財産管理人の制度については、限定承認や相続放棄についても準用されていましたが、わかりにくく、これがまとめられることになりました。
名称も、管理人から清算人へ変更。
相続の放棄をした場合、自己の財産におけるのと同一の注意をするよう管理義務がありましたが、これが、相続放棄時に相続財産に属する財産を現に占有していた者だけに課されることとなりました。また、占有者が負う義務も、自己の財産と同一の注意をもってする「保存」のみに軽減されています。
相続放棄をしたのに、色々と義務を負うのはおかしいという指摘があり、最低限の引き継ぎ義務に限定されることになったものといえるでしょう。
相続財産管理人の公告期間の短縮
相続財産管理手続きや、特別縁故者への財産分与などの手続きでは、複数回の公告期間が予定されていて、年単位で時間がかかる手続きとされていました。
この点について若干の短縮が検討されています。
952条1項の規定で、相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならないとされ、その期間は、6か月を下ることができないとしています。
以前の選任公告と相続人捜索の公告とを同時に行うものとした規定です。
この公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、2か月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならないとしています。
この場合において、その期間は、最初の公告期間が満了するまでに満了するものでなければならないとされています。
従前は3段階の公告が必要でしたが、6ヶ月の期間内に必要な公告期間がすべて終わることになります。
管理財産を供託する制度
不在者財産管理人は、管理財産について不在者のために供託する制度が採用されました。
不在者財産管理人は、不在者に財産を引き渡すまで財産を保管し続けなければならないとされていましたが、金銭財産については、供託することで、家庭裁判所から不在者財産管理人の選任処分の取消し決定を受けることができるようになりました。
一定の管理をまとめてしたうえで、職務から離れられることに変更。
ついでに不動産周りを改正
ついでと言っては失礼かもしれませんが、共有関係の整理とか隣地関係などの整備がされています。
共有が揉めると、登記に反映させにくいという事情もあり、若干の制度改正があります。
隣地使用権の改正
民法209条1項はでは「土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。」としています。
この点について、対象工事の拡大と、使用「請求」権ではなく、使用権への改正がされました。
隣地を使用できる範囲を、境界又はその付近における障壁建物その他の工作物の築造、収去又は修繕と拡大しています。
さらに、境界標の調査又は境界に関する測量、枝の切除も加えられることとなりました。
使用請求ではなく、事前の通知は必要とされていますが、隣地を使用する権利と変更されています。
測量などでのニーズは強かったものです。
境界線を越えた枝の切除については、民法233条1項があります。「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」とあります。
こちらは、自分たちでは切れない規定で、相手が応じなければ、訴訟提起などが必要なルールでしたが、今回、催告して、相当の期間内に相手が切除しなければ、自分たちで切除することができるようになりました
ライフライン設置のための利用権
電気、ガス、水道等のライフライン設備を設置する際、他人の土地を利用しないと難しいケースもあります。
現行法では、民法220条、221条に排水等の規定があるだけです。
しかし、その必要性は高いことから、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しないと、電気等の継続的給付を受けることができないときは、他の土地への設備設置や他人の設備の利も認められるように変更されています。
事前の通知や損害に対する償金の支払い義務は認められています。
共有物の変更・管理
共有物の変更には、民法251条により「他の共有者の同意を得なければ」できないとされています。
しかし、軽微な変更では、全共有者の同意がなくても問題ないことも多いです。
そのため、共有物の変更について「その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。」という例外文言が入ることとなりました。この程度が、今後は問題になりそうですが、必ずしも全員の同意を得なくても良くなるという変更です。
また、他の共有者が不明なときは、裁判で共有物の変更もできるようになります。
所有者不明不動産の問題では、共有者が不明ということもあるため、このような規定ができたものでしょう。
共有物の管理については、民法252条で、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決めるものとされていました。
この点について、共有物を使用する共有者がいても同様と変更されました。
さらに、他の共有者が不明な場合等においては、当該共有者以外の共有者の持分の価格に従い、過半数で決めるという裁判をすることができるとされました。こちらも、共有者不明の場合に備えての規定といえます。裁判管轄は、対象財産の所在地を管轄する地方裁判所とされています。
ただし、共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼす場合には、その者の承諾を得なければならないとの例外規定はあります。
管理に関して、3年以内の建物の賃貸借の設定等は管理行為に属するとされました。
裁判による共有物分割
共有物分割については、民法258条2項が定めています。
共有物分割請求の裁判で、裁判所は、現物分割又は価格賠償による分割を命ずることができ、いずれの方法でも分割することができないとき、又は、分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは競売分割を命ずることが
できることとされています。
従前、条文には明記されていなかった価格賠償について、裁判例でも全面的価格賠償まで認められていることから、条文にも反映させたものといえます。
共有物が相続財産の場合、この分割手続きについては、遺産分割手続きによるものとされていました。
しかし、共有物の持分が相続財産に属しているときで、相続開始時から10年を経過したときは、遺産分割の請求を求める相続人からの異議の申出がない限り、共有物分割規定による分割ができるものとされました。
長期間、相続が放置されている共有物も多く、共有物分割請求での手続きで進める方がスムーズなこともあったため、このような変更となりました。
共有者が所在不明でも共有持分取得、譲渡ができる
不動産が数人の共有でありながら、共有者が所在等不明の場合に、裁判で他の共有者が所在等不明な共有者の共有持分を取得することができるようになる制度です。
また、所在等不明な共有者以外の共有者の持分全部譲渡を停止条件として、特定の者に所在等不明の共有者の持分を譲渡することができる権限が付与されることになりました。
所在がわからない共有者がいる場合に、他の共有者が共有持分を取得できたり、全体の土地を第三者に譲渡することができるという内容です。
所在不明の共有者は、他の共有者に対して、時価相当額の請求ができるとされています。
買戻特約登記の抹消
その他、不動産登記周りをスッキリさせようという改正があります。
買戻し特約の登記がされている場合、契約から10年経過後は、不動産登記法60条の規定にかかわらず、登記権利者は単独で登記の抹消申請ができるとの規定です。
解散した法人の担保権
古い抵当権等がついたままになっている不動産もあります。
このような抵当権等の抹消手続きも大変です。法人が解散してしまっている場合も多いです。
解散した法人の清算人の所在が判明しないため、その法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合には、被担保債権の弁済期から30年を経過し、かつ、法人の解散日から30年を経過したときは、不動産登記法60条の規定にかかわらず、単独で登記の抹消の申請ができるとしました。
これまでは、特別代理人の選任、裁判所の判決等での手続きでしたが、これを簡略化したものといえます。
30年が過ぎていれば、さすがに時効だろうという趣旨でしょう。
国庫帰属の承認制度
土地というのは、取得するのは良いものの、簡単に放棄できません。
流通価値がある土地であれば売却できますが、そうでない土地も多いです。
そのような土地を放置すると、相続登記もされずに、いずれ所有者不明土地になってしまうので、土地所有権の放棄により国庫への帰属するという制度が作られました。
ただ、結構、要件が厳しいです。
相続又は遺贈(相続人に対する遺贈のみ)により土地の所有権の全部又は一部を所有している者は、法務大臣に対し、土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を求めることができるようになりました。
この申請には手数料がかかります。
そして、法務大臣は、以下のいずれにも該当しなければ、国庫への帰属の承認をしなければならないとされています。
建物の存する、担保権等が設定されている、他人による使用が予定されている、有害物質により汚染、所有権の存否等に争いがある土地、境界の争いがある土地、崖がありその管理に過分の費用、労力を要する、土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、樹木等がある、除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する、隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ通常の管理又は処分をできない、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又
は労力を要する政令で定める土地が例外です。
問題がある土地は、国庫も受け入れられないということですね。
法務大臣は、事実の調査等を行い、承認申請者は、法務大臣の承認があったときは、承認に係る土地について、負担金の納付義務を負います。負担金は、その管理に要する10年分の標準的な費用の額を勘案して決められます。
負担金の納付時に、土地の所有権は国庫に帰属という結論です。
要件も厳しく、どれくらい活用されるかは疑問ではあります。
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